企業経営者の高額報酬 (1)


日産のゴーン氏の報酬は8億9千万円だそうですね。安いんじゃないでしょうか。学生の戯言かもしれませんが、日本を代表するような大会社のCEOが10億もらっていないとは意外です。高い能力をもった人が非常に重い責任を負って組織を率いて仕事をしたわけですから、そのくらい貰ってもよいのではないかと思います。日産という名はついても、実際は外資です。ゴーン氏がいなかったら倒産寸前の日産を今の状態にすることなんて出来なかったでしょう。

企業の役員というのは自らの経営判断の結果によっては個人責任を追及されかねない、非常に危ういポジションです。会社法の423条や429条にあるように経営判断の誤りを個人で賠償するリスクまである。経営者は自分の個人の生活すべてを賭けて経営を行う。その結果の対価としてなら約9億円でも文句はないです。むしろ安いくらいではないかというのが正直な感想です。
たしか みのもんたも、8億前後ではなかったかと。TVタレントとCEO。そう思うと別に問題もなさそうです。

もう少し理屈をつけて申し上げますと、今回の株主総会でCEOの報酬については過半数の株主が了承していることがポイントです。「法外」とはいえない。きちんとした手順を踏んでの上での報酬です。株主がまったく了承できない額 というのであれば、また話は別ですが、株主が了承している以上、額について外野がどうこういうのは感心しません。

この論理をつきつめていくと、株主の了承ががある限り、CEOははいくらもらっても構わない。儲かっている会社の社長がいくらもらっても構わない。能力のある人が相応の仕事をした対価なのであるからもらってしかるべきだ。と考えるのが「24歳の視点」です。

さらにいうならば、本当に9億円もらっても手元に入るのかという話も出て来ます。おそらくこの額であれば税金で4億ちょっとくらいは持って行かれます。ゴーン氏の手元に入るのは4億と少しくらいではないかと思います。フランスに全額送金されたらたまったもんじゃないですが、自分の得た報酬を日本でどんどん消費してくれれば少なくとも周りの景気はよくなるし、家でも建ててくれればそれで潤う人も出るはずです。

と、まあここまでゴーン氏を賛美してみましたが、不公平感もなくはない。日産の所為でどれだけの派遣社員が職を失い路上生活を余儀なくされたのか。想像もできないくらいです。8億あれば年収400万の人200人雇えますからね。しかしその不公平をなくそうとすればするほど社会主義、共産主義に近づいていってしまいます。資本主義である以上、不公平や格差社会は致し方ないところでもあります。

ただ、最後に申し上げるとするならば「日産は、自分たちがいうほど 低燃費 ではない」というところでしょうか(笑)。

死刑に犯罪の抑止力はあるのか

「死刑」と聞いてみなさんは何を思い浮かべるでしょうか。
ギロチン・薬殺・電気椅子、様々な事をお見浮かべた結果、「恐い」と感じられる方が多いかもしれません。日本における死刑については、実はきちんと「刑法」という法典の中に記載してあります。刑法第11条1項 「死刑は、刑事施設内において、絞首して執行する」

この文言からわかるように、日本においては、死刑は絞首によって執行されます。詳細な方法は、気分を害される方もおられると思うので、ここでの言及は避けますが、日本においては死刑は法律の中にきちんと位置付けされています。
実際に死刑になる可能性がある犯罪というのはとても数少ない。外患誘致、現住建造物放火、殺人、強盗殺人、強盗強姦殺人など、ごくわずか。しかし、死刑の話になると必ずと言っていいほど国際比較されるのが、死刑廃止論・存続論という議論であります。

死刑になるのが恐いからという理由で犯罪をしないという人がどのくらいいるかは分かりません。ただ、実際の死刑囚に対して身上調査を実施し、「自分が罪を犯す時に死刑になる可能性を考えたか」という問いに対しては、殆どの死刑囚が「犯行時には死刑の存在を意識しなかった」と答えるようです。

死刑廃止論者の有力な論拠として用いられるのが先述のアンケート結果です。つまり、犯行時に犯人が死刑の存在を予期していないのであるから、死刑に犯罪抑止力はない。と。
なるほど確かに、実際に死刑囚がそいうのであるから、死刑はあってもなくても犯罪の抑止力に関係がないとも思えます。しかしながら、この調査の決定的な欠点は、「死刑囚にアンケートをとっている」ことです。

この方法では、実際に死刑を宣告された者のうち、どれだけの割合の人間が死刑を恐れたかということはわかりますが、逆のデータ、つまり「死刑が恐いから犯罪をやめようと思った」人の割合は算出する事ができません。この点において、前述の死刑囚アンケートは統計としての意味をなさないという意見が検察庁を始め警察関係者、死刑存置論者からは主張されています。
そのように考えるならば、死刑の犯罪抑止力はあるのかないのかは不明であるという結論を取らざるをえません。

さて、そのような議論を横目に、近年の凶悪犯の中で「死刑になりたくて人を殺した。誰でもよかったし、早く死刑になりたい」という者が現れます。記憶に新しいところでは、大阪教育大付属池田小学校児童殺傷事件の被告人、秋葉原14人連続殺傷事件の被告人が挙げられます。
ある種の「自殺願望」をもった人間が、自分で死ぬほどの度胸がないという理由で死刑になるような罪を犯している。このような自殺願望者の自殺の補助のために死刑が使われてしまっては元も子もありません。そんな使われ方をするのであればいっそ死刑などなくしてしまった方がいいのかもしれません。

池田小の被告人には判決後異例のスピードで死刑執行がなされました。彼自身は死刑を望んでいましたから、死刑という現行法上の最高刑は、多くの児童の命を奪ったたった一人の身勝手な男の人生の幕を下ろすために、被告人の「最も」望む形で運用されてしまったといえます。しかし、地下鉄でサリンを撒き散らした忌まわしき某教団の教祖と言われた被告人にはまだ死刑は執行されていません。

法律では死刑の執行は判決の確定時から6カ月以内と決められていますが、この規定はまず守られません。死刑の執行には法務大臣のサインが必要なので、その時々の法務大臣の思想により死刑がまったく執行されないこともあるのです。日本の刑事裁判は地裁、高裁、最高裁の三審制であると習った方もおられると思いますが、こと死刑に関しては最後の法務大臣のサインという四審目が事実上存在しています。

さて、脈絡のない文章になってしまいました。刑事政策上の死刑の存廃問題というのは、考えれば考えるほどよくわからないものになっていきます。国際的な流れに沿えば死刑が存置されている国のほうが圧倒的に少ないのですが、日本国内には死刑存置論は今なお根強く残っています。

考えれば考えるほどわからなくなる「死刑」の問題。画面の前のみなさまに問いかけたい。直観的な発想で結構です。

「死刑は存置すべきか、それとも廃止すべきか?」

この文章は同窓会のスタッフコラムとしてはかなり重いものになるので、もしかしたらボツになるかもしれません。もし掲載されたらならば管理人の方に感謝しようとおもいつつ、筆をおきたいと思います。

関西人という偏見 (1)

かれこれ上京して6年目になります。初対面の人と話をして二言目に言われるのが、「あ、関西の人ですか~?」 という言葉。あれこれ苦戦しながら播州弁を東京でも通じるようになおしてしゃべっているものの、イントネーションその他の関係でやはり関西人だということはすぐにわかるようです(笑)

いや、まあ確かに関西人なんです。関西人でいいんですけれども、そのあとの相手方の「この人は面白いことをいうに違いない」 っていう期待のこもった視線、なかなかのプレッシャーであります。

「関西の男の人は10秒に一回くらい笑わせてくれそう」 とかどうもそのような思い込みが関東女性にはあるようですが、これは極めて難しい注文。関西人全体が芸人でないといいたい。そんなにたくさんしゃべらない関西人もいます。サッカーが出来ないブラジル人もいるし、卓球ができない中国人もいる。陰気なイタリア人もいる。物静かな関西人もいる。ああ、俺に面白トークを(勝手に)期待しないでくれ。期待されると滑る。頑張れば頑張るほど空回りするトーク。

どうしてそうなってしまうのか。一寸考えてみたいと思います。(次回に続く)

「若者の消費離れ」について 3/3

<前回から続く> たとえば東京で一人暮らし、会社の給料20万円と仮定すると、そこから税金や共済年金、その他保険料などが天引きされると、手取りは18万円弱。
そのうえ東京で一人暮らしするためには部屋を借りなければならず、賃料に6~7万円。女性なら防犯などの見地から8万円を越すところに住まざるを得ない。すると最終的に可処分所得として手元に残るのは10万円弱。そこから光熱費や会社でのランチや、月に一回服を買ったりすると、翌月の給料日までほとんど手元には残りません。

外出して外食してお金を使うなら、その分家で自炊してお金を貯めておきたい。貯めたお金で年に一回、恋人にプレゼントを贈ったり、おやのたんじょうびにプレゼントをしたりして、結局1年後に残るお金はなくなってしまうのです。その上今春の春闘ではベースアップゼロという会社も多く、給料が上がる見込みはない。
このような状況で、若者が「消費」から離れていくのは当然のことではないでしょうか。

このような社会情勢を無視して、最近の若者は酒も飲めないのか!とか最近の若者は新聞も読んでいないのか!と叩かれることには大きな違和感を覚えます。もちろんもっとお金と時間があれば、いい車にも乗りたいし、おいしいお酒も飲みたい。映画も観たいし、旅行にだって行きたい。新聞だって取りたいし、いい時計もほしい。そう思っているのです。ただ、現状がそれを許さないだけ。

ただ、若者もまったく消費しないのかと言うとそうでもありません。とくに、新しいゲーム機や、高性能のパソコン、新しい化粧品や、新しい携帯電話はほしいのです。特に最近ではiphoneやipod ニンテンドーDSなどは売れています。結局は、使わなくても生きていけるところは極力節約して、自分がほしい物をなんとか買える範囲で購入していく。というのが現代の若者(20代)の懸命な生き方なのかもしれませんね。<この稿完>

「若者の消費離れ」について 2/3

<前回から続く>

11.CD離れ:CDも高い。アルバム1枚3000円くらいする。それに、今は音楽もネット配信などでデータで管理できる。それにCDを買うと家の中でかさばる。置き場所を作るだけでも大変。

12.パチンコ離れ:どうせ勝てないギャンブルみたいなものだろうとの印象。確かに始めてみれば楽しいかもしれないが、ハマルのが怖くてなかなか手が出ない。

13.ゲーセン離れ:ゲームセンターでお金を使うのは小さいころから無駄遣いであると教えられてきた。金と暇があれば行くかもしれないが、そんなに余裕はない。

14.腕時計離れ:昔は海外のブランド時計を着けるのが一番のステータスだったようだが、今は個人の価値が着けている時計で判断される時代ではない。それに国産の時計でもいいものはたくさん出ている。そしてなにより、わざわざ時計がなくてもケータイで時間見ればかなり正確な時間がわかるため、腕時計を着けること自体に意味を感じない。

15.バイク離れ:バイクも買うと高い。ローンを組むほどの給料もない。維持費も駐車場代も相当高い。そんな金があるなら将来のために貯蓄する。そして東京近郊に住んでいれば電車と地下鉄だけで移動は事足りる。

16.献血離れ:若者でも精神科やその他のかかりつけの病院に定期的に通っているものも多い。それにわざわざお菓子やジュースのために自分の血を抜かれるのは貧血になりそうで怖い。献血には時間もかかるし、自分に針が刺さるのであるからやはりそんなことはボランティアでもしたくない。

17.映画離れ:わざわざ劇場の放映日程に合せて映画館に足を運ぶのが面倒くさい。どうせ映画なんて何カ月もすればDVDやブルーレイでレンタルされる。いい作品であればあるほど家でゆっくり見たい。と、いうか最近の映画にあんまり興味を持てない。劇場で見るより家で見たほうがゆっくりと見ることができる。

このようにいろいろと検討してみましたが、つまり、これらの根底にある要素として
若者にインターネットが普及していること。そして若者が概ね低所得で、可処分所得が少ないことがあげられます。

以下 次回に続く

「若者の消費離れ」について 1/3

今、巷には 若者の○○離れ という言葉がマスコミでも報じられています。
僕の知るところですと、若者の
1.テレビ離れ 2.読書離れ 3.活字離れ 4.車離れ 5.酒離れ 6.タバコ離れ 7.旅行離れ 8.プロ野球離れ 9.雑誌離れ 10.新聞離れ 11.CD離れ 12.パチンコ離れ 13.ゲーセン離れ 14.腕時計離れ 15.バイク離れ 16.献血離れ 17.映画離れ
など、様々な 若者の○○離れ が叩かれています。しかし、これにはやはり理由があるのだと僕は思います。まず、それぞれの○○離れについて少し考えてみたいと思います。

  1. テレビ離れ:くだらないバラエティ番組がが多すぎて、観る気にならない。
  2. 読書離れ:本は買うとお金がかかる。もし読むならブックオフで安く買う。
  3. 活字離れ:ネット上でも活字は読んでいます。活字って印刷物には限りませんよね。
  4. 車離れ:車を買うとお金がかかる。維持費も相当かかる。そんな金はない。
  5. 酒離れ:酒を飲むとお金がかかる。付き合い以外で無理に酒ゐ飲むこともない。飲み過ぎは体に悪いし、将来の生活習慣病も怖い。
  6. タバコ離れ:タバコは体に悪い。そして周りにも迷惑。それに金がかかる。
  7. 旅行離れ:旅行は金がかかる。旅行に行って疲れて帰ってくるくらいなら家でネットを楽しんでいたほうがいい。
  8. プロ野球離れ:そもそもプロ野球の結果にあまり関心がない。家でネットで好きな動画サイトでも見ていたほうがマシ。
  9. 雑誌離れ:雑誌は高い。大した情報も載っていないし、ほとんどが企業の広告の雑誌なんてわざわざ買って読もうとは思わないし、そんな時間もない。
  10. 新聞離れ:新聞は定期購読すると高い。月3000円も払えない。読む時間もない。それに新聞と同じ情報はネットのニュースとかにも取り上げられている。わざわざ定期購読しようた思わない。就活前なら日経を取ったりすることもある。

以下 次回に続きます。
■スタッフ注:筆者は高57回生。法曹界を目指す、新進気鋭の若者です。