別府鉄道野口線・旧駅舎(2)
野口駅では国鉄高砂線の高砂行と別府港行とが同時発車することが多く、しばらく並走していた。
「半畳を入れる」 江戸市中にはたくさんの芝居小屋があった。当時は椅子席ではなく座布団がわりに小さな筵(むしろ)を敷いて座って見物する。その筵のことを半畳という。役者が下手な芝居をやると、客はその半畳を舞台に投げ入れて怒りを表現した。
そのことから「半畳を入れる」とは、非難したり、からかったりすることをさすようになった。
人間同士で半畳を入れるのは、相手をバカにするので、本来品のない行為とされ、するべきことではなかったが、年上の人間は、年下の人間に対して半畳を入れることが許された。ただし、やたらに半畳を入れるのではなく、年下の者の発言を批判したり、間違いを正す場合のみ、ひとつのしぐさとして容認されていたのである。
つまり年長者として間違いを正す資格があったからです。お年寄りが言うことを「古い」といって取り合わないのは愚かなことで、江戸ではお年寄りの経験からくる知恵や意見は尊重されました。
今のお年寄りは、若い者に半畳を入れる勇気も自信もないようです。若い人も、お年寄りを人生の先輩として、たまには暮らしの知恵をお借りしてみてはどうですか。