さてさて、どうしてトークは滑ってしまうのでしょうか。もちろん「単純に筆者が面白くないのだ」と言ってしまえばそれまでの話になるのですが、それだけで片付くならこんなコラムは書かないわけで。
6年間色々な人と話をしてみて感じたことなのですが、東京と関西のお笑の大きな違いはやはり「突っ込み」にあると思います。
実はコントにおいても漫才においても、重要なのはボケよりもツッコミ。ボケだけでは一瞬で燃え尽きるところをツッコミで一気にボワっと笑を引き起こす。いわば、ツッコミには関西の人間に「今、この人は面白いことを言いましたよ、面白かったのはこの部分ですよ」と示す役割を果たしています。そして、観客は、ツッコミのいうことが極めてまっとうであると感じたときに初めて、自分の中の常識的感覚とボケとの違いに気付き、なおかつツッコミによる心理的な安堵を得たうえで笑ってしまうのです。
この仕組みは実はさまざまなバラエティでも使われています。有名な司会者やコメディアンというのは総じてボケ上手というよりはツッコミ上手。その場にいる人間の何気ない発言をうまくとらえ、そして、瞬時に柔軟にツッコミを入れることで、見ている人の笑いを引き出します。
例をあげてみますと、・・・(次回につづく)