「江戸しぐさ」 其の四・(往来しぐさ)

(往来しぐさ)の最終回です。

「とうせんぼしぐさ」 人の通行を邪魔すること。つい話に夢中になっていて後ろから来る人に気が付かないのも野暮な証拠。「背中にも目をつけろ」 と叱られた。人にされると腹が立つのに、自分は案外気づかぬうちにしていませんか。電車の入り口で乗客の乗り降りの邪魔をしている人をよく見かけます。一度降りて乗り直す配慮を。

「仁王立ち」 人の前をさえぎること。現代では大きなカバンやリュックを肩にかけたまま、直ぐに降りないのに電車の入り口付近に立って、乗り降りを妨げる行為などでしょう。

「束の間しぐさ」 赤の他人と隣り合わせても、一寸言葉を交わすことを言う。ご縁、和み。

現代では長時間乗る新幹線の隣席でも挨拶しないことが普通になってしまいましたが、一言挨拶するか会釈をしておくだけで、互いに気持ちよく過ごせます。

「会釈の眼差し」 目で挨拶するというのは、顔を柔和にする効果がある。相手を睨むわけではないので、自然と和やかな顔になります。そうすれば、殺伐とした空気は生まれない。

「横切りしぐさ」 これもしてはいけないしぐさ。人の前を横切ることは失礼極まりない無礼とされた。歩いて急に立ち止まるのも事故のもと。人前に出る時は「右回り」 右手をちょっと出して「ごめんなさいよ、みんなの前を横切ってあい澄みません」と、右を回っていくしぐさです。こんなしぐさがとっさに出れば、社会人として合格です。せめて人前を通るときは、「澄みません」ぐらいは言える大人でありたいものです。

次回は「相手を尊重する江戸しぐさ」 を紹介しましょう。以下つづく

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