「おい お前 どないしとんどい」 「おう せんどぶり、ぼちぼちやぁ」。他県の人が耳にしたら、なんとも野卑であまりお上品と言えない会話。こんな播州弁が飛び交う中で育った野育ち。しかし 停車場でふと振り返る懐かしい”お国なまり”でもあります。
今や東京支部の諸氏も肩で風切り、花のお江戸で暮らす日々。浅葱裏(あさぎうら)でもございますまい。
こんな忙しいIT社会に、”古めかしい江戸しぐさでもないだろうと” と思われるかも知れません。
でも せっかくの事。東京でご活躍の身、これも何かのご縁でしょう。江戸の人に学ぶ粋なマナーの数々を、恥ずかしがらずにやってみませんか。
「江戸しぐさ」 とは江戸時代に城下町の商人らが心がけていた生活習慣、くせのようなものだそうです。住みやすい世の中をつくる知恵と言えるでしょう。
江戸しぐさは 人にして気持ちいい、してもらって気持ちいい、はた目にも気持ちいいもの
のようです。最近は駄目な大人(例えば、行き違う他の人が店の扉に手を添えていても、黙って横を通り抜けるような心ない人)も目立ってきましたが、江戸しぐさから学び、気持ちよく暮らしていきたいですね。
少しお堅く言うと 「江戸しぐさ」はノブレス・オブリージュ(noblesse oblige)の精神から生まれた商人道を示すものです。ここには21世紀の生き方のヒントが詰まっていると、江戸しぐさ語りべの会・主宰者の越川禮子氏は説く。世間で今、じんわりと話題をひろげています。
さて 以下の”しぐさ”がおわかりでしょうか。順次 ご紹介してまいります。
「肩引き」「カニ歩き」 狭い道ですれ違う時も、肩を引けばぶつからない。横向きになる「カニ歩き」で、すれ違えば気持ちよく過ごせる。歩道いっぱいに歩く今の若者や、スピードを上げて走る自転車は、迷惑なだけでなくすこぶる危険です。「肩引き」とは「腕引き」ともいい、すれ違う際に右肩、右腕を後ろへ引いて互いにぶつからないようにするしぐさです。
尚 当HPへの引用、掲載は、越川禮子氏の許可を戴いております。
「傘かしげ」「拳(こぶし)腰浮かせ」・・・・。以下つづく