「江戸しぐさ」 其の参・(往来しぐさ)

今回も引き続いて(往来しぐさ)をご紹介しましょう。

「うかつあやまり」 うかつとは「うっかり、ぼんやり、不用意にという状態。人の足を踏んでしまったり人とぶつかったら、やった方が謝るのは当然ですが、こちらも 「とっさに避けられなかった私のほうもうかつでした、すみません」 と声には出さなくても,とっさのしぐさでその場に良い空気をつくれるのが 「うかつあやまり」 です。

「自分が悪くなくてもあやまるの?」 と思う人もいるでしうが、ここはためしてみよう。

うかつ 漢字では「迂闊」 と書き、「迂」 は回り遠い、うとい、にぶい、世間知らず、「闊」 はゆるいという意味を持っています。なるほど 江戸の人にとっては、うかつとは禁忌のしぐさだったのがわかります。

「駕籠止めしぐさ」 思いあがらずに謙虚にふるまえ。現代ではタクシーの運転手にも威張らない。社用車に乗れる身分になっても自宅の前からは乗らない。訪問先の玄関前まで乗り付けない。少し手前で降りて歩く位のそんな謙虚さといったことでしょう。

江戸の人は決して店の前へ横付けしなかったそうです。横付けするのは野暮でした。しぐさにはその人の考え方、育ち方の全てが出るものなのです。

階段でのすれ違いは上がっていく人が立ち止まる。階段でのすれ違いは、上がっていく人が立ち止まり、下りてきた人と同じ高さに並んだところで会釈して行き交います。下の人が立ち止まってくれたのですから、下りてきた人に「ありがとうございます」の気持ちがなければなりません。 以下つづく

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