「若者の消費離れ」について 3/3

<前回から続く> たとえば東京で一人暮らし、会社の給料20万円と仮定すると、そこから税金や共済年金、その他保険料などが天引きされると、手取りは18万円弱。
そのうえ東京で一人暮らしするためには部屋を借りなければならず、賃料に6~7万円。女性なら防犯などの見地から8万円を越すところに住まざるを得ない。すると最終的に可処分所得として手元に残るのは10万円弱。そこから光熱費や会社でのランチや、月に一回服を買ったりすると、翌月の給料日までほとんど手元には残りません。

外出して外食してお金を使うなら、その分家で自炊してお金を貯めておきたい。貯めたお金で年に一回、恋人にプレゼントを贈ったり、おやのたんじょうびにプレゼントをしたりして、結局1年後に残るお金はなくなってしまうのです。その上今春の春闘ではベースアップゼロという会社も多く、給料が上がる見込みはない。
このような状況で、若者が「消費」から離れていくのは当然のことではないでしょうか。

このような社会情勢を無視して、最近の若者は酒も飲めないのか!とか最近の若者は新聞も読んでいないのか!と叩かれることには大きな違和感を覚えます。もちろんもっとお金と時間があれば、いい車にも乗りたいし、おいしいお酒も飲みたい。映画も観たいし、旅行にだって行きたい。新聞だって取りたいし、いい時計もほしい。そう思っているのです。ただ、現状がそれを許さないだけ。

ただ、若者もまったく消費しないのかと言うとそうでもありません。とくに、新しいゲーム機や、高性能のパソコン、新しい化粧品や、新しい携帯電話はほしいのです。特に最近ではiphoneやipod ニンテンドーDSなどは売れています。結局は、使わなくても生きていけるところは極力節約して、自分がほしい物をなんとか買える範囲で購入していく。というのが現代の若者(20代)の懸命な生き方なのかもしれませんね。<この稿完>

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