加古川市の東に広がる台地は高台であったため、古くから農業用水の確保に苦労してきました。そのため 多くのため池が造られ、疏水が引かれるなど独自の灌漑が発達しました。
「平木橋」は旧野口村(現加古川市野口町)の新田に水を引くために、遠く淡河川、山田川からの疏水事業の最下流に位置する、大正4年(1915年)に完成した水路橋です。
レンガと御影石を組み合わせたモダンなデザインは、歴史の重みを感じさせてくれます。かっては神野町石守の、行くには衣服が破れるのを覚悟して近づかなければならない程の雑木林に忘れられたようにありました。
道路が付近を通過することになり、その工事で壊される運命にありましたが、保存運動が高まり無事に移築復元されました。神戸大・神吉和夫教授(高18回)が専門的な助言をされました。
現在は、野口町水足公会堂近くの「前ノ池」の中にめがね橋のように復元されています。
平木橋は、東播磨南北道路という高規格道路の建設に伴い移築保存されました。この橋は地元の石工などの技術者(名前が刻銘されています)により築造されたもので近代土木遺産として価値が高く加古川市指定文化財に指定され、破壊から免れました。野口町水足の「前ノ池」で復元された姿を見ることができます。