東京巨大プロジェクト(3)・東京ゲートブリッジ

東京港に2011年度に誕生する。近くには日本一のコンテナー取り扱い個数を誇る大井・青海コンテナー埠頭があり、一日に約一万台を超えるトラックが行き交う。

太田区城南島から、海を渡って江東区若洲までを繋ぐ道「東京港臨海道路」8㌔の内、約2.9㌔が「東京ゲートブリッジ」となる。

この橋、なぜか「恐竜」のような形をしている。「連続トラスボックス複合橋」という構造で日本最大規模。この辺りは羽田空港による空域制限があり、しかも桁下は船舶航行を確保しなければならない。レインボーブリッジのような高い塔が必要な「吊り橋」や、ベイブリッジのような「斜張橋」などは架けられない。そこで「トラス橋」となった。

橋の架設工事が実にダイナミック!海上交通を妨げないように配慮して、巨大トラスト桁を国内最大級の大型クレーン船3艙で相吊りし、陸上から海上に運んで一括架設した。

風の影響が極めて強いため、作業は早朝に行われる。巨大な橋桁がたった4時間で海上に架設されるのだからすごい。国土交通省東京港湾事務所。深田サルベージ建設。

まもなく、大消費都市東京ならではの、たくましい絶景に出会える。

加古川市の高校が甲子園で2勝

市内・加古川北高校が選抜大会で2勝を挙げた。公立校唯一の8強進出だった。加古川市の高校としては、初の甲子園での勝利。同校の健闘を讃えたい。

昨年の秋季兵庫大会では、母校も対戦した。

1回戦 加古川北 4-0 加古川東

準決勝 加古川北 5-1 報徳学園

決勝 加古川北 5-9 神戸国際大付属。

秋季近畿大会

1回戦 加古川北 2-0 大阪・桐蔭

準々決勝 加古川北 5-9 奈良・天理

この善戦が選抜大会出場への決め手となった。

思えば 我が母校も数年前(平成18年・高59回生)、夏の県大会で公立校としては47年振りの4強進出したのは記憶に新しい。ずいぶん昔日だが、昭和26年(1951年)秋の近畿大会決勝戦で京都・平安に敗れた歴史がある(高4回生)。当時は枠が少なく、選抜大会への出場は叶わなかった。思い返すも痛恨事である。文武両道は至難の道なのだ。

科学研究にも痛手が

日本最大の研究都市・つくば市も震度6弱の揺れに見舞われた。科学研究の命綱である電源が失われ、世界的な素粒子実験施設も防災研究の中心機関も大打撃を受けた。

高エネ研:素粒子実験のための、電磁石もゆれのため落下した。

国土地理院:全地球測位システム(GPS)も福島県以北のデータが途絶えた。

防災科学技術研究所:緊急地震速報も機能停止。全国の観測網も9割に障害が発生した。

宇宙機構:筑波宇宙センターは、「こうのとり」と「きぼう」の管制室が入った運用棟が被災した。

産業技術総合研究所:高層階で被害が続出。地震研究センターでは、活断層などのデータベースが31日朝にようやく復旧した。

昨年 母校学生さんが訪れた産聡研。そしてJAXAなど、つくばには同窓生が大勢、研究に取り組んでいらっしゃいます。被害に負けずご奮闘を期待します。

東京電力の「大罪」、と題した週刊誌記事の中で

おや々 某大手出版社系・有力週刊誌「3月31日号」で、こんな記事を見つけました。

”佐藤栄作久・前福島県知事が証言する”の中です。そのまま記します。

「2004年12月、私は原子力長期計画策定会議に招かれました。そこで、『フランスでは十六年間、ドイツでは二十年も議論した上で原子力政策を決めているのに、あなたたちは来年結論を出そうとしている。あまりにいい加減すぎる』と噛みついたのです。会議のメンバーは七割くらいが電力関係者なので、私は参加者たちに『あなた方は国からマインドコントロールされているんじゃないか』と糾すと、

タレントで弁護士の○○○○さんから『失礼ね』と吐き捨てられました。これは福島県の議事録にも残っています」

こうして、国と東電が一体となって、ブルドーザーのように原子力政策を推し進めていった。

自分たちだけが絶対正しいという驕り。その大きなツケが、今、我々国民にふりかかる・・・。

と、この記事は結ばれていた。

東京巨大プロジェクト(2)・京急蒲田、連続立体交差

本線・平和島駅~六郷土手駅間4.7㌔、空港線京急蒲田~大鳥居駅間1.3㌔。2015年3月の完成を目指して工事中。東京都・大田区・京急電鉄。鹿島・錢高組。

朝のラッシュ時には1時間の内50分閉まるという踏切。地上面の京急の線路を撤去して高架化し、この事業区間28もある踏切を全てなくする大型工事。

この事業の難しさは、街のど真ん中を走り、線路のすぐそばまで住宅が密集している場所で、どうやって高架化の工事をするかだ。

それを解決するために既存の線路の真上に電車の走行を妨げることなく高架化する「直接高架工法」で進められている。すごいところは地中に打ち込んだ基礎杭の上に柱、柱と柱を繋ぐ縦横の受け梁、そして床面と、あらかじめ製造されたプレキャストコンクリート部材を使用して高架橋を組み立てた事で、これは全国でも初めてとのこと。

立体交差事業に伴い、京急蒲田駅も三層構造(下からコンコース階、上り線ホーム、下り線ホーム)に大改造中。一つのホームから本線の快特、普通、空港線を同時に停車させるため縦列する。新幹線並みの389㍍の長いホームになる。

乗客に見えないところで、土木、軌道、建設、電気などのプロ集団が、英知を集結して取り組んでいる。完成を期待したい。

江戸しぐさ 其の拾壱 (聞き耳しぐさ)

聞こえても聞かぬ心がけ 江戸に住む多くの人は長屋に住んでいた。長屋の作りは貧弱で、薄い板と簡単な壁によって各家は仕切られていた。だから、隣家の声は当たり前のように聞こえた。

そこで生まれたのが「聞き耳しぐさ」である。このしぐさは、聞き耳を立ててこっそり話を聞くということではない。そういうことをしてはいけないというしぐさである。

当時はたとえ密閉された空間でも、障子や襖など、防音には役立たない建具で家が造られていたから、聞こえてきた話は、聞こえていない、ないものとして忘れた。これが聞き耳しぐさである。

立ち話でも、近くで耳をそばだてることは嫌がられた。たとえのれん一枚でも、その向こうで話され、偶然耳にしたことは聞こえないものとして処理したのである。

プライバシーを尊重するしぐさ 江戸人の、プライバシーに立ちいらない基本的な態度が聞き耳しぐさだったのだ。

東京巨大プロジェクト(1)・首都高中央環状品川線

今 都内の地下で人知れず、大土木工事が進んでいる。大橋JCTから湾岸・大井北JCTまで全長9.4㌔。そのほとんどが地下を通る。

「土木」:シビル・エンジニアリング。すなわち、市民の技術。東京の都市機能を進化させる。

この中央環状品川線は、昨年3月に完成した新宿線を南に延長した区間で大橋JCTからJR大崎駅付近まで山手通りの真下を通り、その先地上に出るまで目黒川の真下を進む。

2013年に大井北までが開通すると、環状線47㌔が全通し、湾岸、常磐、東北、中央、東名道が都心に入らずに通過出来る。例えば新宿から羽田空港までが、都心を経由する現在の40分から20分に短縮する。

採用された「シールド工法」。内径11.5㍍、上下2車線。深さ30~40㍍を1時間3㍍進む。大断面のものとしては世界初。大成・大豊・銭高JV、鹿島・熊谷・五洋JV、大林・西武・京急JVの3JVが担当。

現在、都心での大土木工事は地上に影響を与えず地下深く行われることが多い。人目に触れないところで東京は動いている。