三十六年前(昭和四四年)夏 私は北海道函館市にいた。兵庫県の加古川市から教師になるべく北海道教育大学函館分校に入学した年、十八歳の七月だった。の書き出しで始まるこの小説、自伝小説かと思い作者にお聞きしたが「そうじゃない」と否定された(笑)。後は読んでのお楽しみ・・。
楢木氏は教師を目指され同大に入学し創作活動も行われていたが、卒業後はご事情もあり実業界に転じられた。現在は埼玉県で会社を経営されている。しかし・・文学少年だった初心抑えがたく、遂に作家デビュー。第2作が待たれる。
初老の新人作家誕生を祝って、同窓生、友人たちの肝いりで、5月に横浜市で出版パーティーが開かれる。皆さんも新人作家に暖かいエールを送ってあげてください。
装幀は同級生の中川猛氏が担当。中川氏(高21回・東京芸大卒)は東高校庭にあるモニュメントでお馴染みの方。
母校創立70周年記念に中川氏から贈呈されたモニュメント。皆さんもご記憶がおありでしょう。
*同級生の応援と言えば、松本仁氏(高28回)の「よもやま花誌 」。このきれいな表紙や本文中の素晴らしい挿絵は西田(新部)由美子さんの作品。同級生は一生の宝ですね。
楢木守氏の「海峡の風」は一気に読んでしまいました。
明治時代に、厳しい開拓的生活をたくましく生き抜きぬいた曾祖父の達人級剣道の腕前で周りの人々を勇気づけていった物語部分にも引き付けられましたが、何より函館で淡い学生生活を始めた主人公の荒っぽい恋の行方と、終末でのどんでん返し的展開に驚き、感動さえ覚えました。
田中様 読後感、ありがとうございます。楢木氏はお仕事多忙の傍ら、遂に念願の作家デビューを果たされました。第二作目もまもなく脱稿と伺っております。応援をお願い申し上げます。
楢木守氏の第2作目『R16』は1作目『海峡の風』とは全く異なるエンターテインメント色の濃い、しかし感えさせられる点も多い深い作品ですね。
楢木氏のバックボーンの深さのには感心させられました。