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旧制中学、旧制高女。男女共学その後(1)

<折半交流前後の生徒の感想> 東高の巻(上)

遂に待望?の男女共學が實施され對面式の行われた一日以後男女記者二、三人は或は女生徒のかたまりの中へ割込み、或は男生徒の喊聲の中に入ってその聲を聞いた。以下はその記。

記「交流前に両校のどちらへ志望していましたか」

女「幼い頃からの憧れであった學校に入ってその學校で卒業したいですワ。」 男「友達と別れるより舊の學校に居りたい。」

女「好奇心からかも知れませんが中學校へ行きたい気持ちもありました。」 男「通學上の便利もありますのでこちらになってやれ々です。」

○ 一般に男女學生は共に居りたかったらしい。しかし女生徒の一經は男生徒の學校へ憧れて居た様だ。

記「貴女はこちらに来た第一印象は此の學校をどう感じましたか。」

女「何だかおかしな國へでも来た様な感じがします。」 女「土足のまゝ上がって勉強する事と男生徒のやかましいことに驚きました。」 女「校庭は案外美しく花などが植えてあり池等あって感じが女學校より良ろしい。」 女「男の方は何でもする事がてきぱきして居て良いですワ。」

○ 女生徒は厭倒的に舊加古中はきたないのに驚いたという意見が多かった。

記「東高へ来ると定った時はどんな感じでしたか。」

男「思い通りに願いが叶って嬉しいよ。」 女「何事も運命と思って居ます。こうなった上は環境に應じたいと思います。」 女「長い間居た學校を離れる時には淋しく悲しくて仕方がありませんでした。」

記「これまで東高には女生徒が入るのはほとんど無かったのですが女生徒が入って来てどんな感じがしましたか。」

男「女生徒が来てから男女共不活発になっていけない。」 男「教室で女生徒と隣り合って居ると話が出来ぬから男の者同士並べてほしい。」 男「女生徒は元気で朗らかであると思った。」 男「女生徒が時間中静かなので男生徒も自ずから静かになり、以前よりも勉強し易くなった。」 男「確かに學校がきれいになり和らげられた様な気がする。

○ 男生徒は女生徒に對して好奇心でいたらしいが今となって女生徒が入って来て恥ずかしい様子である。つづく

■ スタッフ注:昭和23年(1948年)7月1日以降の取材記事。

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