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ぶらり加古川・・・ 史跡放浪記・新井(しんゆ)用水

水を満々とたたえた田で、緑の早苗が風にそよぐさまは、六月の風物詩といえます。しかし瀬戸内気候に属し降水量が少ない当地域の稲作には、かって水を確保することとの悪戦苦闘の歴史がありました。貴重な雨水を有効活用するために数多くのため池が造られ、また用水路が新設されました。新井用水もその一例です。

干ばつから水田を救う農業用水確保のため、播磨町古宮の大庄屋・今里伝兵衛が姫路藩の許可を得て開削工事を行ったのです。八幡町西条(現加古川大堰用地内)にある取水口から野口・平岡・別府各町の農地を潤し播磨町に至る全長十三㌔余りの水路は、延べ十六万人以上が動員されて明暦二年(1656)に完成しました。

水路は十㍍前後の等高線に沿って流れています。取水口と最下流の高低差は約七㍍のほぼ平坦地で、そのうえ途中には逆勾配の場所があって通水は容易ではなかったのです。この課題に対して、流れに勢いをつけるために水路幅を徐々にに狭くしていくなどの工夫がなされています。

このような背景を持つ新井(しんゆ)用水は加古川市の文化遺産ともいえるでしょう。「新井緑道」が整備されており、先人の苦労のあとを感じながら歩くことができます。

「広報かこがわ・7月号」 岩坂純一郎氏(高20回)ご担当欄から抜粋紹介しました。詳細は公式HP・本文をごらんください。

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