市の木にクロマツが選定されているように、古くから海岸線沿いは松の名所として有名でした。江戸時代の後期には「播州名所巡覧図絵」や「播磨めぐりの紀」などの旅行ガイドが出版されており、多くの人が松めぐりを楽しんだようです。
例えば長岡藩家老・河井継之助の日記には「明石より浜辺へ出、始に手枕松を見、松原を過て浜の松を見、尾上の松と鐘とを見て高砂に至り宿す」と書かれています。
樹齢約百年の三代目「手枕の松(たまくらのまつ)」は、別府住吉神社の境内で円状に枝を広げています。人がひじ枕をして寝ているような形に見えるところから、別府生まれで著名な俳人・瀧瓢水がこの名称をつけたという言い伝えが残っています。
松林が広がる浜の宮公園は、白砂青松の面影が残っており、かって加古の松原と呼ばれていた一帯の一部分です。公園の北隅に位置する浜宮神社には、樹齢約五百年とされている二代目「鹿児の浜松」があり、菅原道真手植えの松とも伝承されています。
尾上神社には、枝ぶりが約二十mの「片枝の松」三代目と、クロマツとアカマツが幹をひとつにして成長する「尾上の松」が有名です。特にこの尾上の松三代目は国の天然記念物に指定されたほどの名木でした。現在は五代目です。
皆さん 帰郷された折には三か所の名松めぐりをされてはいかがですか。
この ”ぶらり・・・加古川” は、「広報かこがわ・10月号」で岩坂純一郎氏(高20回)が執筆されている担当欄から抜粋ご紹介しました。詳細な本文は加古川市公式HPでご覧ください。
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